イレッサ タルセバ 耐性

イレッサが効かなくなった時の治療方法

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イレッサやタルセバが効かなくなった肺がんの治療方法

 

「イレッサが順調に効いてほとんど見えなくなっていた肺の腫瘍が再び大きくなり始めた。」

 

「イレッサで脳の転移巣も縮小し、毎日元気そうだった患者に歩行障害などの脳の問題が再び現れだした。」

 

 

イレッサもタルセバも、問題は薬剤耐性、つまりこれらの薬の効かないがんが出現してくるということです。

 

イレッサの場合、投与開始から早い人で数か月、遅くてもおおよそ30か月目には大部分の患者で何らかの耐性が認められるということで、そこからどうするのかということが現在、問題になっています。

 

 

分子標的医薬の登場前には、手術不能な肺癌に対しては、殺細胞性の抗がん剤による化学療法が主流でした。

 

基本的にはシスプラチンやカルボプラチンなどのプラチナ製剤にもう一つ、パクリタキセル、イリノテカンなどを組み合わせる「プラチナダブレット」と呼ばれる方法が主流でした。

 

たとえば「カルボプラチン+パクリタキセル」という投与方法は、単独ではゲフィチニブ(イレッサ)を上回る投与効果を持ちます。

 

ということは、ゲフィチニブ耐性となった患者さんのがんに対しても有効であることが期待できます。

 

そこで、最も基本的な方法としては、最初にプラチナ製剤を含む二剤併用の化学療法が選択肢となります。

 

 

 

問題となるのは、それへ取り組むタイミングのむずかしさと、フレアと呼ばれる現象です。

 

 

イレッサもタルセバも劇的に効いた場合には患者さんのQOLも劇的に改善しますし、もともと外来で飲み薬として投薬できるのが売りですから、自由度もすこぶる高いものです。

 

これに対して、化学療法では入院して点滴するのが基本で、拘束される時間が長くなります。

 

加えておう吐、脱毛、白血球減少による免疫不全といった重篤な副作用が出現しやすくなりますので、回復するための時間、仕事も日常生活も制限が多くなり、QOLはガクンと落ちます。。

 

このため、患者だけでなく、主治医の側でもできるだけイレッサやタルセバでの治療期間を長くしたいと考えがちです。

 

 

ところが、間質性肺炎の出現で突然イレッサなどの投薬を中止した患者さんで時に問題となるのが「フレア」と呼ばれる現象です。

 

これは統計学的に検討されているわけではない、症例報告の域を出ないことですが、これらの薬剤を中止したとたんにがんが増殖するスピードが、投薬開始前のそれをはるかに上回ることがあるというのです。

 

やめた途端に、一気に増悪するというのですね。

 

 

フレアが起こるとしたら、そのメカニズムを考えると

 

がんがEGF受容体以外の生き残りメカニズムを代替策として準備してそれで勢いを盛り返そうとしていた。

 

そこに、いきなりEGF受容体からのシグナルが戻ってきたので、それまでの二倍の、あるいは相乗的に高い効率で増殖できるようになった。

 

そういうことかと推察できます。

 

 

そして、

 

フレアがある人では相乗的に働きうる代替経路が活性化していた(EGF受容体の下流のシグナルを増強するシグナルが活性化していた)。

 

フレアがない人ではEGF受容体に頼らないシステムに完全に切り替わっていたので、それほど激しく効率アップしない。

 

ということが考えられます。

 

 

 

こういったことを考えると、イレッサやタルセバの効果が弱くなり、腫瘍縮小効果が認められなくなってきた場合には

 

できるだけ早めにカルボプラチン+パクリタキセルなどの殺細胞性の抗がん剤治療に切り替えるほうが良いように私には思えます。

 

フレアがない人は待ってもいいのですが、フレアがある人の場合、できるだけ腫瘍サイズが小さいうちにたたき始めた方が良い。

 

 

現段階ではどのような変化が起こって耐性を獲得しているのか、その見極めはできません。

 

ですが、EGF受容体機能阻害剤が効かなくなってきた気配を察知したあたりで、次の攻めを考え、迅速に動くのが良いように思えるのです。

 

いつまでもイレッサやタルセバに期待し続けては後れを取ってしまう可能性があります。

 

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