肺がん 余命 1年

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肺がん 余命1年 薬物認可とイレッサ問題

 

イレッサはEGFRという分子に特定の変異がある肺腺癌には劇的に効果のあることが期待できる抗がん剤です。

 

イレッサによる治療で転移巣が画像診断上きれいになくなってしまう人もいます。

 

ということで、イレッサは一部の肺がん患者さんにとってはなくてはならない素晴らしい薬なのです。

 

 

また、日本という国はこのように「絶対安全」、「副作用がほとんどない、あっても重篤なものではない」ことが強く要求される国民気質なので、これまで、抗がん剤を含めた新薬の認可が極めて遅い国として世界中で有名な国だったのです。

 

そこで、これまでとはメカニズムの違う新薬であるイレッサを、新しい抗がん剤を待っている人に早く届けようと、珍しく厚生労働省ががんばった薬で、世界に先駆けて日本市場で販売が始まったのです。

 

 

ですが、臨床試験と実用とでは対象となる患者さんの数が違います。

 

結果として、規模の小さい研究ではそれほど重大視されなかった重篤な間質性肺炎患者が多数出てしまいました。

 

 

これを日本で先行販売することなく、いつものように他の国で数年間使用された状況を見てから販売すれば重篤な副作用に関する注意喚起がなされた状態で市場に出たでしょう。

 

でもそうするとイレッサの販売を心待ちにしながら間に合わずに亡くなっていく肺腺癌患者さんもある程度の数、出た可能性があります。 

 

余命一年と言われていたような人でイレッサが効いていたかもしれない人達が無念のままに亡くなっていたケースが多発したはずです。

 

 

もちろん、この事件の最大の問題点は他の抗がん剤と同じ程度に重篤な副作用があったにもかかわらず、「ほとんど副作用のない夢の新薬」であるかのように外科医が思い込み、患者にもそう伝えていたことにあります。

 

製薬会社の販売促進の宣伝で強く印象に残ったのは「脱毛や白血球減少などの殺細胞性の化学療法剤に必ずある副作用はほとんどない」という部分で、間質性肺炎についてはさらりとした説明しかなかった。
(なかったわけではない。)

 

これにより専門性の低い医者も勘違いしていた、それが患者さんに伝わった、間質性肺炎という命に関わる薬の処方を、その疾患の発症の観察とそれへの迅速な対応をフォローできない医師や歯科医師が処方した。

 

ここはしっかりと反省されてしかるべきところだと思います。

 

 

しかし、可能性のある新薬を認可するスピードは早ければ早いほどいいと、特に一刻を争う抗がん剤の認可に関してはそう思うのです。

 

世界に先駆けて使用を開始した場合、確かに世界に先駆けて予期せぬ副作用で苦しむ人をたくさん生み出してしまうかもしれません。

 

でも、そのことを医者も説明するべきですし、患者も説明を受けて、納得の上でそれを選択するか拒否するか決めるべきです。

 

 

現在ではEGFRの遺伝子診断で適している患者さんも分かりますから、イレッサが向いている人だけが考えるのでいいと思います。

 

それでも彼らに副作用が起きないとは限らないので、覚悟はいります。

 

でも、これは他の抗がん剤でも、手術でも同じことなんです、肺がんはそれだけ手ごわい敵であり、まだ、

 

「重篤な副作用のない安全な抗がん剤」

 

は歴史上どこにも表れていないのですから、今ある手段の中から自己責任で最善の策を選び出すしかないのです。

 

その自己責任の覚悟のある人たちの選択肢の数を減らすような方向に(「重篤な副作用のない安全な抗がん剤」だけを求める運動を起こすことで)持って行くべきではないと、私は思うのです。

 

 

 

長くなってしまってすみません、私はともかく、治療につながる可能性のある薬の市場への迅速な投入に再び道を閉ざすようなことがまたこの国に起こってほしくないと思うばかりです。

 

もちろん、わかっている限りの情報を製薬会社と現場の医者は患者さんに伝えるべきです。

 

ですが、患者さんもまた、新薬には市場に出てから見つかる重篤な副作用があって当たり前だという気持ちでそれを使用するかどうか、自己判断していただきたいと思います。

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