肺がん ステージ4 イレッサ

肺がん ステージ4 イレッサ

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肺がん ステージ4 イレッサの効果と問題点

 

何年も続いたイレッサ訴訟が一応の決着を見ましたね。

 

「重篤な副作用に関する告知を事前に十分にしなかった」ということで製薬会社側に不備があったとする原告の追及でしたが、発売の時点での予測は困難であるということで不備ではない、上告棄却という判決となりました(2013年4月12日)。

 

実は地裁の判断では一部の責任を認められていたところの原告側からの上告でした。

 

原告の患者さんや患者さん遺族側の気持ちとしては、製薬会社だけでなく、国による謝罪と補償、そして副作用に関する大規模な調査の済んでない薬を拙速に市場に出すべきではないいう意見も含むものだったようで、判決後の会見でもそれが通じなかったことが残念でならないというマスコミの報道でした。

 

 

苦しまれた患者さん、元気だった家族を突然失った遺族の気持ちは測りきれないほど重たくつらいものだったと思います。

 

お悔やみ申し上げます。

 

ですが、私は患者さんやその家族のの立場だけではなく、医療者の立場で医療者の目線からこれを書いていて、そのことに関しては少々、意見が異なります。

 

 

まず、イレッサの副作用ですが、他の抗がん剤に比べて極端に重篤な副作用があったのかと言えば、そうとは言えないと思います。

 

(分子標的医薬はこれまでの殺細胞作用を持つ抗がん剤と比較して副作用の多寡を論じるべきではないと言う意見もありますが)

 

 

確かに、間質性肺炎の頻度は想定外に高かったのですが、発売前の臨床治験ではそれは見つかりませんでした。

 

というのも、欧米人に比べて日本人で間質性肺炎の発症頻度が4倍も高くなることはわかっていなかったからです。

 

これは「平等」と「安全」を重んじる日本では大勢の患者さんを対象とした臨床治験が実施できないということにも問題があります。

 

 

その一方で、日本人患者における3〜4%という間質性肺炎の発症頻度が劇的に高いかと言えば、それもまた私からすれば疑問です。

 

未分化胚細胞腫に用いられるブレオマイシンなどでは6〜18%で間質性肺炎が発症するように、

 

昔から間質性肺炎というのは抗がん剤の重篤な副作用としてはもっとも有名なもので、化学療法を処方している医者は常に念頭から離れない疾患です。

 

 

また、特発性間質性肺炎自体が喫煙者に多く、さらに肺がんとの合併も多いという事実もあることから、

 

肺がんの化学療法実践中はどんな薬剤を使おうとも最も注意するべき合併症が間質性肺炎なのです。

 

発症の兆しが少しでも見えれば抗がん剤の治療を即刻中止してそちらのケアにあたるべき疾患です。 

 

 

すなわちこれの発症を見逃して手遅れにしてしまったのは、現場の問題であったと私は思います。

 

医師は処方する際に間質性肺炎に対してきちんと説明するべきであったし、きめ細かなフォローのできない、肺がんの治療に詳しくない医師は処方するべきではなかったのです。

 

(患者さんに乞われてご近所にお住いの歯科医師の方も処方していたという話があります)。

 

 

以上の内容は一勤務医の私見であることをお断り申し上げておきます。

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